金融機関の経営企画職 大塚新一さん(32)の場合

img_book_20180426_65_01.gif

<プロフィール>
●名前:大塚新一さん(仮名)
●職業:金融機関の経営企画職
●年齢:32歳
●最終学歴:都内の有名私立大学卒
●推定年収:1,000万円
●生息域:都心の酒場、スポーツジム、国会図書館
●行動特性:スイッチが入ると、仕事でもプライベートでも対象物に没頭する
●好物:BBQ、キャンプ、日本酒、ウイスキー
●好異性:仕事をちゃんとがんばっている女性、お酒が飲める女性

若き「港区おじさん」の日常と結婚観

「写真を撮るならこのポーズでお願いします。マンガ『JOJOの奇妙な冒険』より、です。このポーズでなかったら撮影をお断りします」

ここは東京駅前にあるダイニングバーのテーブル席。金融機関の経営企画部で働く大塚新一さん(仮名、32歳)は、スーツ姿で「JOJO立ち」をしています。口を開けば、本気なのか冗談なのかわからないことをチャキチャキの早口で繰り出すのです。

下町育ちの一人っ子で中高一貫の男子校出身、と聞いて納得しました。新一さんは少年っぽさを濃厚に残しているエリート会社員です。

「以前は都内の賃貸マンションに住んでいました。半地下なのに家賃は月10万です。オーナーに吸い取られているのがしゃくだったので、去年の冬に中古マンションを買いました。これで僕も港区おじさんです。80平米の2LDK。快適です」

新一さんの定義による「港区おじさん」とは、東京の人気エリアである港区内にタワーマンションを購入して住んでいる男性のこと。ややスノッブに聞こえますが、新一さんはすかさず自虐ネタを加えます。

「寝室は10畳もあって、セミダブルのベッドだけを真ん中に置いて、一人で寝ています。圧倒的に孤独です。将来、結婚して子どもが生まれて大きくなったら、戸越とか浅草などの下町に住みたいと思っています。商店街がある町は生活感がありますから。僕も下町育ちです」

頭を使う仕事で、朝も昼も食事抜き

親しみやすい一面ものぞかせる大塚さん。なんだかモテそうだな……。そんな気持ちが伝わったのか、間髪入れずにシニカルな言葉を発する新一さん。

「先日、友だちに手伝ってもらってバーカウンターを自作しました。特にDIY好きではないのですが、スイッチが入ったら何でもやっちゃうんです。料理だってできますよ。でも、タワーマンションを買ってこんな暮らしをしていると、女の人がやたらに寄って来ますね。友だちならいいんですが、知らない人までやって来ます」

新一さん、ちょっと迷惑そう。いろんな女性と出会うよりも、気の置けない男友だち同士で遊んでいるほうが楽しいタイプなのでしょう。普段はどんな生活を送っているのでしょうか。

「働く時間はまちまちですが、たいていは朝8時には会社に到着しています。夏は自転車で30分ぐらい、冬は電車です。でも、雨や雪のときはすぐにタクシーを使います。背に腹は代えられないでしょう! 会社に着いたら、タバコとコーヒーで一服します。頭の回転が鈍くなるので、朝も昼も食事はしません。学生時代からの習慣です」

健康なのか不健康なのかよくわからない生活ですね……。新一さんによれば、経営企画部の仕事は「ひたすらエグく」頭を使う仕事。中長期的な視野に立って新しい企画を立て、経営層に提案し、各部署を巻き込んでやり遂げなければなりません。

「何か新しいことをやろうとすると、必ず各部署と対立します。とにかく調整が面倒臭いんです。平日は調整に追われ、土日で自分の作業をする、という日々が続くこともあります。2カ月間、深夜3時まで働いて翌朝6時に出勤していたこともありました」

重い恋愛はいらない

その頃に新一さんのほうから別れを告げた女性がいます。中学校時代からの友人で、同い年の康代さん(仮名)です。2年間も交際していたそうですが、出会いと別れの理由を教えてください。

「好きになった理由? よく覚えていません。気分です。久しぶりに会って、懐かしくて楽しくなり、重さを感じなかったから付き合ったのだと思います。でも、だんだん重くなりました。仕事がすごく忙しいタイミングだったのに、遠回しに『一緒に住みたい』なんて言うんです。『1カ月ぐらい距離を置いてみよう』と当たり障りのない言い方で別れました。悪者になりたくありませんからね」

偽悪的な言葉を発しつつ、新一さんは寂しさも感じていることを明かします。だから、夜はたいてい酒場に行き、休日も友だちを自宅の「バーカウンター」に招いているのでしょう。

康代さんはお酒が飲めなかったので、お酒好きの新一さんとはゆっくりと時間を共有することができなかったのかもしれません。

付き合いが長いので結婚する、というのではなく、気づいたら隣にいるという関係が欲しいです。両親も晩婚なので僕には今のところ何も言いません。親が70歳になるまでに結婚すればいいかな、と思っています」

新一さんの同期は7割がすでに結婚しています。特に大卒の男性は、全国各地の支店で勤務しているときに一般職の女性から見初められて結婚するケースが非常に多いそうです。

古き良き職場結婚が残っているんですね。ただし、新一さんは「同じ会社なので仕事を理解し合える」程度では心を動かされません。

「飲みの席で、『仕事が辛いからやめた~い』なんて言いながら自分の客をディスり始める人がよくいますよね。品性がないな、と感じます。心の中では何を思ってもいいけれど、口に出していいことと悪いことがあるでしょう。お金をもらって働いているんだから。そういう人は、陰では僕のことも悪く言うはずです。人として信頼できません」

プロ意識の高い女性をナンパで見つける?

プライベートではおふざけキャラの新一さんですが、仕事には真摯に取り組んでいます。女性にも同じぐらいの「プロ意識の高さ」を求めるようです。なかなかハードルが高いですね。愉快で少しだけ寂しい独身一人暮らしがしばらく続きそうです。

「結婚していない人が飲み友だちとして残っています(笑)。合コンの誘いはめっちゃありますけど、面倒臭いのであまり行きません。それよりも男友だちと『今日、暇? 飲もうぜ』と思いつきで誘い合って、北千住あたりの飲み屋街でナンパしているほうが楽しいです」

仕事にも遊びにも前のめりで取り組んでいる新一さん。飲み屋街で「ナンパ」した女性が意外なほどの働き者で、職業倫理も高く、なおかつ飲食好きだったりすれば、友情と恋愛が同時に始まるかもしれません。

信一さんにとっての結婚は、尊敬と友情の延長線上にあるのではないでしょうか。

今回の独身くん 婚活フィールド×理想の女性パターン(編集後記)

img_book_20180426_65.gif

あなたの性格からぴったりの婚活を診断します。質問に回答すると、あなたに合った婚活タイプと口コミ情報が表示されます。
Webで婚活タイプ診断はこちら

最新記事のチェックはこちらが便利!

シェアする

大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
ホームページ omiyatoyo.com