国家公務員 渡辺さん(38)の場合

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<プロフィール>
●名前:渡辺晋太郎さん(仮名)
●職業:国家公務員
●年齢:38歳
●最終学歴:関西地方の国立大学卒
●推定年収:900万円
●生息域:東京圏のダンススタジオ
●行動特性:何かにハマると時間を忘れて打ち込む。単独行動は苦にならない
●好物:ダンス
●好異性:誰からも愛される人気者の女性

婚期を逃した国家公務員の“婚活苦労話”

本連載もそろそろ60回目を迎えようとしています。スタート以来、最大の難関は取材先探しです。編集担当者と僕が目を皿のようにして「いい男」を探索し、インタビューを依頼しています。「婚活のミカタ」のコンテンツなので、いい男の定義は「元気に働いて稼いでいて、コミュニケーション能力も高め。20代半ば~40代前半」です。この連載のおかげで、ちょっと姿の良い男性と出会うと、「独身ですか? お仕事は? 恋人はいるんですか?」と初対面でもグイグイ聞いちゃう習慣が身に着きました。珍しい習慣ですよね……。

ある食事会で見かけたのは、楽しそうに話す細身の渡辺晋太郎さん(仮名、38歳)。僕の「独身くん」アンテナが反応したので、それとなく身の上を伺うと、職業は国家公務員で、ダンスに打ち込んでいたら結婚適齢期を逃してしまったとのこと。その後の婚活苦労話を明るく語ってくれました。ぜひインタビューさせてください!

「以前は週6でダンスをやっていました。ダンスは狭い世界なので、少し上手になるとプロとつながれるんです。バックで踊らせてもらったりする機会があると練習に励みたくなります。いい仲間もできて、毎週のように飲みに行き、泊まりがけの旅行も行ったり……。気づいたら35歳になっていて、(公務員用の)独身寮の年齢制限を超えてしまいました。『やってもうた!』と思いましたよ」

晋太郎さんは就職と同時に上京し、10年間近く独身寮に住んでいました。家賃は数千円から1万円程度と激安。結婚せずに独身寮を出て、一般のマンションを借りると東京の高い家賃を実感するでしょう。「やってもうた」と思うのが自然ですね。

独身寮を離れた35歳から晋太郎さんは婚活を本格化させます。その話を聞く前に、晋太郎さんの一人暮らし生活をレポートしておきましょう。

平日はジムや勉強。週末はダンスに没頭

「始業は9時半です。仕事はなるべく19時には終えようと思っています」

霞が関勤務の国家公務員は「不夜城」状態で深夜まで残業しているイメージがありますが、晋太郎さんの職場はそこまで残業は多くありません。人間的な生活を送れているようです。

「7時頃に起床して出勤前にスポーツジムに行くこともあります。バーベルを上げてからサウナと風呂に入るとさっぱりしますね。朝食はドーナッツです」

ニューヨーカーみたいな朝を過ごしていますね。そして、席に着くとひたすらパソコンに向かって担当案件に取り組み続けます。

「お昼は弁当の宅配サービスがあります。でも、日替わりの定食しかないので、嫌いなおかずが入っているときは注文しません。ほぼ丸一日デスクの前にいるので、昼時ぐらいは外に出ることも多いです。一人で食べに行くことがほとんど。単独行動は苦になりません」

夕食は自炊が基本。炒め物やスープなど「15分ぐらいで作れる料理」に限定して調理しているそうです。夜はネットでお笑い番組を見て笑ったり、英語の勉強をしたり。土日はダンスに費やすことがほとんどです。

充実した独身生活を過ごしている晋太郎さん。30代前半の頃に「いずれ結婚するのかな」とぼんやり考えていた恋人がいましたが、やがて気持ちがすれ違い、別れてしまったそうです。

独身の国家公務員に見られる共通項とは?

「同じダンススタジオで知り合った4歳年下の女性です。向こうから告白してくれて、気が合いそうだと思ったので付き合いました。でも、彼女が仕事で追い詰められていた時期に僕もちょうど仕事が忙しかったりして、『私がこんな大変な状況なのにかまってくれない』と言われて振られてしまったんです」

社会人の恋愛の難しさですよね。少なくともどちらかは仕事と生活が落ち着いている状況でないと相手を思いやる余裕がなくなってしまいがちです。彼女と別れた後、晋太郎さんは「結婚して子どもがほしい」という気持ちが高まります。同期の公務員たちが幸せな結婚生活をしていることも影響したのでしょうか。

「いえ。僕の同期にも独身者はけっこう残っています。結婚する人は30歳ぐらいまでに結婚して、その後はパタッと止まりました。独身者は、僕を含めてちょっと変わっている人が多いですね(笑)。マニアックだったり、やや子どもっぽい性格だったり、仕事に打ち込み過ぎていたり……」

晋太郎さんの結婚願望が強まったのは、親戚の子どもからすごく懐かれてしまい、衝撃的に「かわいい!」と感じたことがきっかけでした。晋太郎さんの父方の親族はとても仲が良く、年に2回は集まっているのです。尊敬する両親を安心させるためにも晋太郎さんは婚活を始めました。35歳のときです。

結婚相談所で知り合った彼女。両親の反対で破局に

結婚相談所に登録したらたくさんの女性から声をかけてもらえました。僕が相手に求める条件は2つだけです。32歳ぐらいまでの年齢であること、共働きを希望していること。専業主婦になるために結婚したいという女性は尊敬できないと思ったからです。メールでのやり取りで気が合いそうだなと感じた女性とは会うことにしていました」

わずか2週間のうちに4人の女性とお見合いをし、真理子さん(仮名、32歳)と出会ったのです。晋太郎さんぐらい条件がいい男性はすぐに売れてしまうんですね。

「髪の毛の色が明るかったので軽そうな第一印象でしたが、話してみるとちゃんとした人だとわかりました。一緒にいるだけで楽しかったな……。2人とも結婚相談所を休会して、結婚を視野に入れて付き合うことにしました」

しかし、その交際はわずか2カ月で終わってしまいます。晋太郎さんが両親に報告したところ、まさかの大反対を受けたのです。理由は家柄。真理子さんの両親がともに大学に行っていないことを指摘され、「私たちとは合わない」と言われてしまいました。

「僕自身は学歴なんて気にしていないのですが、妻となる人には両親とうまくやってほしい。両親に大反対されたら結婚するわけにはいきません。彼女の時間を無駄にさせるのは申し訳ないので、早めにお別れすることにしました」

そのときに受けたショックは思ったよりも大きく、その後3年間は「低迷期」に入ったと晋太郎さんは振り返ります。親の意向を入れて「相手の親がともに大卒であること」を条件に婚活を続け、30人以上に会ったものの気持ちが弾むことはありませんでした。婚活のために趣味のダンスを減らしたことで交友関係も減り、気分も沈みがちになるという悪循環だったそうです。

「最近、婚活を休むことにしました。フィーリングが合わない人と無理に一緒にいるよりも、友人関係を大切にしているほうが元気に暮らしていけると気づいたからです」

ダンスの練習も再開し、友だちと気軽にお酒を飲む機会も増えました。いま、晋太郎さんには気になっている女性がいるそうです。照れくさがって詳しくは教えてくれませんでしたが、「気になる人」がいるのはいいことですよね!

学歴という形での家柄を重視する晋太郎さんの両親に僕は共感できません。でも、結婚とは「お互いの親を大事にすること」でもあると思うので、「親が喜ぶような結婚相手を見つけたい」と願う晋太郎さんには賛成します。

頭で考え過ぎて行動するとうまくいかないことが多いですよね。肩の力が抜けたいまこそ、晋太郎さんに恋愛と結婚の季節が到来しているのかもしれません。

今回の独身くん 婚活フィールド×理想の女性パターン

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大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
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