IT会社 岡田さん(29)の場合

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<プロフィール>
●名前:岡田順平さん(仮名)
●職業:IT企業の正社員
●年齢:29歳
●最終学歴:都内の有名国立大学卒
●推定年収:550万円
●生息域:新宿、五反田
●行動特性:朗らかに見えて実は人見知り。仕事が忙しいとプライベートは消極的になる
●好物:映画、球技全般
●好異性:仕事や家事の何かで尊敬できるところがある女性

前職(東北の工場)で知り合ったのは4年間で女性2人でした

都内の喫茶店で待っていると、仕事帰りの岡田順平さん(仮名、29歳)がカジュアルな服装でやってきました。坊主に近い短髪で、いたずら小僧みたいな雰囲気の順平さん。常に人懐こい笑顔を浮かべています。

仕事内容は経理と経営企画。社外のお客さんなどに会う機会はないため、スーツは着ないで良いのだそうです。

順平さんは現在のIT企業には中途入社です。昨年までは新卒で入った大手メーカーで働いていました。1年間の研修後は、あまり業績の良くない事業分野に配属され、東北地方の某市にある工場で経理の仕事をしていたとのこと。

労働時間はとても長かったです。朝8時半から夜中の1時ぐらいまで。土日のどちらかは出社するという4年間でした。冬は雪がものすごく降る場所で、外は真っ暗。2LDKの寮に一人で住んでいたので、寂しかったですよ。体力的にもきつくて、孤独死の恐怖に怯えたこともあります」

中国地方の太平洋側出身で、学生時代と新人研修中は都会で過ごした順平さんは、東北地方での一人暮らしには適応できなかったのでしょう。

「前職の工場以外は働き口がほとんどなく、大学もない都市だったので、高校を卒業すると都会に出て行ってしまう土地柄です。4年間で知り合ったのは20代の女性は2人だけでした。男性も同僚以外は若い人が少なくて、飲み屋で仲良くなったのは50代以降のおじさんだけです」

このままでは心身がもたないと判断した順平さん。転職サイトに登録をして、ようやく取得できた代休を使って上京。その日にタイミングよく面接を受けられた現在の会社への転職を決意したのでした。

「前職でも経理を担当していたので、新しい職場での仕事はそれほど畑違いではありません。遅くとも22時には仕事が終わり、休みの日は友だちと気軽に飲みに行けたり映画にも行ける生活。ようやく人間的な生活が送れる!と感動しています」

初恋は6年前。大沢あかねさん似の女子大生

僕は35歳のときに愛知県の蒲郡市という地方都市に引っ越しました。雪はあまり降りませんが、夜中は真っ暗。それだけに家賃などはとても安く、空気もきれいで、人混みとは無縁です。30代以降の結婚生活を穏やかに過ごすにはちょうどいいかなと思っています。

でも、順平さんのように他県出身の20代独身者であれば、都会のほうが住みやすいと感じるのでしょうね。独身の異性とも出会いやすいのは当然です。

彼女いない歴29年」だという順平さんも、関西地方の大都市で社会人1年目を過ごしていた頃は3歳年下の女性に片想いをしていました。

街コンから発展した人間関係で知り合った女子大生でした。タレントの大沢あかねを小柄にしたような女性で、しぐさにも愛嬌があって、とにかくすべてが可愛かった。あの頃の僕は恋に狂っていましたね……」

最初は8人ぐらいの仲間でボーリングをしたり花火大会に行ったりしていたそうです。やがて順平さんは彼女と2人で食事や買い物に出かけるようになりました。最終的にはちゃんと告白したのですが、はっきりとした返事はもらえなかったとのこと。

彼女への未練を残したまま、順平さんは東北の工場に配属されたのでした。

東京で働き始めて初合コンを経験

学生時代を過ごした東京に久しぶりに戻った順平さん。家賃の高さに驚いて、1LDKのマンションを35年ローンを組んで購入したそうです。あとは結婚ですね!

「友人の結婚式には毎月のように招待されています。学生時代の同級生は半分ぐらいは結婚しました。同窓会に出たら、ずっと寄り添っている同級生カップルがいましたよ。でも、特に焦りはありません。30代半ばぐらいには結婚したいけれど、それを過ぎてしまったら一生一人かなと思っています

29歳にして達観しているように聞こえる順平さん人見知りなので、なかなか恋愛には発展しづらいという自己認識を持っているのです。

「東京で働き始めてから初めての合コンを経験しました。職場の先輩が誘ってくれたんです。1回目はビリヤードバーで4対4。女性は30代前半でした。普通に楽しい飲み会で、LINEグループも作りましたが、個別のやりとりはしていません。2回目はひどかったですね。リムジンの中で合コンするという趣向でしたが、相手が23歳ぐらいの新卒女性たちで、男性とまったく話そうとしないんです。世代が違うと話も合わないのかな、と思いました」

最初は友達として一緒に遊びながら少しずつ好きになりたいという順平さん。現在の職場は半数ぐらいが若い独身女性とのこと。経営企画という花形部署にいる順平さんは注目されているのではないでしょうか。チャンスです!

「うーん。できれば社内は避けたいですね。うまくいけばいいのですが、何か問題が生じたら気まずいじゃないですか。それに、一緒に仕事をしていると相手の悪いところも見えてしまいますよね。仕事ができない女性は尊敬できません」

気心知れた友達から恋人、が理想ですが…

順平さんはいま、社会人のフットサルチームなどに入ることを検討しています。少し太ってしまった体を好きな球技でシェイプアップしつつ、仲間の女性との恋愛も期待できる。一石二鳥ですね。

趣味のサークルなのだから、「検討」などをせずにさっさと加入してしまえばいいのです。しかし、順平さんは二の足を踏んでいます。

「いったんやると決めたことはやり遂げる性格なのですが、それ以外のところはだらけていたいんです。特に平日の仕事が忙しい時期は、土日は自宅でのんびりしたり一人で映画を観に行きたくなったりします。一緒にダラダラできる気心の知れた友達ならばいいのですが、初対面の人と会うのはエネルギーが要るじゃないですか。合コンに誘ってもらっても『先約があるので』と断ってしまったこともあります。先約なんて何もないんですけどね……

僕と順平さんはちょうど10歳違いです。僕の場合は、仕事が忙しくなると気分が高揚し、お金を使ったり遊んだりしたくなります。独身だったらいろんな女性とデートしたくなるでしょう。でも、順平さんは「土日ぐらいはダラダラしていたい」のです。

順平さんが20代前半の人に感じたのと同じく、世代の違いかもしれませんね。僕も上のバブル世代からは「元気がないね」と言われ続けましたから。ちなみに彼らは仕事が忙しくても暇でも遊びまくる陽気な人々です。

素直で朗らか。でも、実は人見知り。責任感は強いけれど基本的にはマイペース。順平さんはそんな男性です。少し年上の女性に引っ張ってもらうように恋愛し、結婚するのが良いと僕は感じました。

あとがき(婚活女子・編集担当)

大手メーカーの東北地方の工場勤務から、寂しさに耐えきれず(本人談)、東京のIT企業に転職した順平さん。同時にマンションも購入して結婚の準備は万端。それほどまでに地方には出会いがないという現実とともに、順平さんのその行動力に驚きを隠せません。
ただ、肝心の東京では土日をダラダラ過ごしているだけとは…。目標を達成できるかどうかは、最後のひと踏ん張りにかかっていると思うのですけれどね。評価されるのも結果であってプロセスではないですし…。「若くて可愛げがあるのに、惜しいな…」と婚活女子は思うのでした。

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大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
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