テレビ局の営業職 森川さん(28)の場合

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<プロフィール>
●名前:森川正人さん(仮名)
●職業:テレビ局の営業職
●年齢:28歳
●最終学歴:有名私立大学卒(早慶上智レベル)
●推定年収:700万円
●生息域:六本木、渋谷、新橋、赤坂
●行動特性:一人でテーマパークに行けるほど単独行動が得意
●好物:サッカーなどスポーツ全般、TV鑑賞、読書、ゲーム
●好異性:透明感のあるツンデレ系の女性もしくは天真爛漫でちょっとやかましい女性

毎朝、韓ドラを見てから出勤します

「毎朝、テレビ東京で放映されている韓国ドラマを途中まで観ています。録画もしているのですが、展開が気になるので朝の時間も観てしまうんです。途中で切り上げて9時過ぎの電車に乗らないと10時の始業に間に合いません」

ここは都内にあるテレビ局内の会議室です。インタビューに応じてくれるのは、CM枠をスポンサー企業および広告代理店に販売する営業担当者である森川正人さん(仮名、28歳)。背が高く、鋭い目をしています。ちょっとコワモテです。でも、仕事がある日の過ごし方を聞くと、いきなりかわいいエピソードを披露してくれました。

韓国ドラマに未練を残しながら出勤する森川さん。タイムカードを押した後は自由に働くことができるそうです。森川さんは後輩たちと売り上げの大きな業務を担当していて、結果を出している限りは上司から何か言われることはありません。

「土日は基本休みです。平日も早ければ18時半ぐらいには退社できますが、月の中ごろから仕事が多くなってくると深夜0時過ぎまで働くことも少なくありません」

森川さんのような「できる社員」は責任感が強いですよね。特に独身時代は、ワークライフバランスなどは考えずに仕事に没頭する傾向があります。彼らと出会って仲良くなるためには、一にも二にもタイミングが重要なのです。

『サク1で飯に行くか』は終電コース

真面目かつマイペースな森川さんは、夜に先輩たちと飲みに行くこともできるだけ避けています。テレビ業界は会社の枠を超えて「年次がすべて」なところがあり、先輩に誘われたら断りにくい雰囲気なのだそうです。森川さんの苦労話を聞きましょう

「夜まで働いていて、先輩が『疲れたなぁ』などと仕事には関係のない言葉を口にし始めたら要注意です(笑)。『サク1で飯に行くか』なんて言われます。サクッと1時間だけ食事に行く、という意味ですが、1時間で終わることはまずありません。3軒はしごしてタクシーで帰ることになったり……。僕は翌日に疲れを残したまま仕事をしたくはないので、誘われそうな雰囲気になる前に仕事を終わらせて『お先に失礼します!』と挨拶するようにしています。会社の人と飲みに行くのは月に2回ぐらいですね。かつては週5のときもありましたけど。そのうち1回は取引先との接待です。もちろん、帰りは遅くなります。僕はできるだけ早く帰りたいのですが……。」

近年、「若い世代が飲みニケーション参加しない」と嘆く声もありますが、彼らは仕事に不熱心だからと決めつけるのは間違っているのかもしれません。仕事で必要なコミュニケーションは営業時間中に行って、他の時間はゆっくり休んで気力体力を充電させたい、と考えている人もいるのです。

ただし、上司からの強引な誘いもたまにはいいことがあります。上司から夜中に突然電話がかかってきて知人女性と会うように迫られ、その週末に浅草でデートをしたこともあったそうです。

「老舗蕎麦屋でランチをして、浅草観光をした後に船でお台場に行きました。海浜公園を散歩し、アクアシティで買い物をしてデートを終えました。相手が優しい女性だったので雰囲気よく過ごせたとは思います……」

一人でテーマパークに行くのも平気です

しかし、お付き合いするまでには発展しなかったようです。「典型的な男子校育ち」だと自覚している森川さんは、男友達と一緒にいることのほうがリラックスするのかもしれません。

土日はサッカーチームの練習や試合に参加することが多いです。高校時代からの男友達と都内の老舗を食べ歩く会をやっていたこともあります。100店舗中40店ぐらいでリタイアしましたけど」

人と一緒に過ごすことも楽しめるし、誘われたら気楽に応じるけれど、一人でテレビを観たり読書をする時間が何よりリラックスする――。森川さんのような独身男性は意外と多いのです。「なんとなく寂しいから」という理由で好きでもない人と愚痴を言い合いながら飲むような生活とは無縁です。

「ディズニーリゾートのチケットを2枚、もらったことがあります。男友達を誘ったら『女と行けよ』と言われました。でも、僕は一人で2回行きました(笑)。全部のアトラクションに乗ることができて楽しかったですよ。ユニバーサルスタジオとハウステンボスにも一人で行ったことがあります

当たり前のように語っていますが、かなり面白いエピソードですよね。森川さんが一人でディズニーランドを満喫している姿を写真に撮りたいぐらいです。

愛嬌はあるけれど爽やかな雰囲気を漂わせている森川さん。男性の僕としても大いに好感を持てるし、女性からも好かれる気がします。

出会いの場が苦手なので、合コンには行きません

しかし、森川さんには学生時代から彼女がいません。理由の一つは、いわゆる「出会いの場」が苦手だということです。

下手なことをして紹介してくれた人に迷惑をかけたくありません。合コンでノリ良く頑張ることもしたくありません。億劫というか、ありのままでいたいという気持ちがあります」

とはいえ、いずれは結婚をしたいと考えている森川さん。お付き合い期間を考えるならば28歳という年齢は早すぎることは決してありません。

サッカーつながりで気が合う女性と出会えたらいいなと思うことはあります。でも、チームはマネージャー以外は全員男性です。夏と冬に打ち上げがあり、2次会には女性も呼んで合コンみたいになることもあります。でも、僕は1次会で帰ってしまいます。そういう場の雰囲気が苦手なのです。仕事でも気を遣うので、プライベートでも気を遣うのは避けたいのかもしれません。それすらも打ち破ってくれる韓国ドラマのヒロインのような天真爛漫でちょっとやかましい女性には好意を抱いてしまいますね。今後は、料理やダンスなど興味のある習い事にチャレンジできればと思います。そういった場で自然な形の出会いがあれば……」

結論としては、森川さんは人生のパートナーを切実には求めていないのでしょう。今は独身生活に満足しているのだと思います。10年後ぐらいに彼が本気で結婚したいと願ったとき素敵な女性が傍らにいるといいですね。

あとがき (編集部より)

マップは森川さんの出没地ですが、彼同様に男性でも『合コンや紹介が苦手』な人は一定数いそうです。その場合は、サッカーなど男性の競技人口の多いスポーツや、習い事が知り合うきっかけになりそうです。

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大宮 冬洋(おおみや とうよう)フリーライター

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。男三人兄弟の真ん中。一橋大学法学部を卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社して1年後に退社。編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターになる。
高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる町に居心地の良さを感じていた。今でも月に一度は西荻に「里帰り」している。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。昭和感が濃厚な黄昏の町に親しみを覚えている。平日の半分ほどは東京・門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
「お見合いおじさん」としての悪戦苦闘の日々は、ヤフーニュース個人の連載「中年の星屑たち」で公開中。
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